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15歳未満、親拒否でも輸血…5学会決定。:でも本当に輸血できるの?

親が輸血を拒否しても、医者は勝手に輸血してもよいそうです。
そのとき、お医者さんは本当に輸血できるのでしょうか?

日本輸血・細胞治療学会など関連5学会の合同委員会(座長・大戸斉福島県立医大教授)は28日、15歳未満の患者に対しては、本人や親が拒否しても生命の危険があれば輸血を行うとする指針を正式に発表した。(YOMIURI ONLINE)



学会HPも参照ください
日本輸血・細胞治療学会HomePage http://www.yuketsu.gr.jp/
宗教的輸血拒否に関するガイドライン http://www.yuketsu.gr.jp/information/2008/refusal1.pdf
未成年者における輸血同意と拒否のフローチャート


宗教的輸血拒否に関するガイドラインによると

親権者が拒否するが、当事者が15 歳未満、または医療に関する判断能力がない場合
①親権者の双方が拒否する場合
 医療側は、親権者の理解を得られるように努力し、なるべく無輸血治療を行うが、最終的に輸血が必要になれば、輸血を行う。(ガイドラインより抜粋)



輸血を拒否する”エホバの証人”の信者に対する対応だそうです。

このガイドライン。私は正しいと思います。
でも、正しいことを行っていても、お医者さんの社会的立場が保障されるわけではありません。
両親の意思に背いて、輸血した後、お医者さんは、どうなるのでしょうか?


現在の医療行為において、患者への説明と同意の取得、すなわちインフォームドコンセントを欠かすことはできません。
上記のケースでは、患者は未成年になります。
となるとインフォームドコンセントの対象は、法定代理人である親権者
この場合、本人(子供)の意思は”アセント”と呼ばれ、両親の意思=コンセントを補完するものでしかありません

親権者の意思(コンセント/consent) >> 子供の意思(アセント/assent)
後者は同意というより、賛同の意に近いものです。いうなれば、オマケです。

で、医者はそのとき、両親の意思に背いた治療行為をしても良いのか?

上記ガイドラインには、

児童相談所に虐待通告し、児童相談所で一時保護の上、児童相談所から親権喪失を申し立て、あわせて親権者の職務停止の処分を受け、親権代行者の同意により輸血を行う。

とあります。

両親から子供を奪い取り、だれか第三者を両親の代理にして、そのひとに輸血を許可してもらおう。ということです。
学会としては、自分たちではリスクを引き受けることはできないので、児童相談所に。ということなんでしょう。
でも、輸血を必要とするとき、こんな手続きをしている時間があるとは思えません。
また、ちゃんと子供を病院まで運んできた両親に対して、”虐待”が認められたという判例はみつけられません。

結局、医師個人が、一つの命を救うため、いろいろなリスクを覚悟で輸血することになるんだと思います。


さて、輸血が功を奏して、一命をとりとめたとします。
でも、もしも、輸血が原因で、なんらかの感染症にかかったら、いったい誰が責任を負うのでしょう。

古くはHIV。最近ではC型肝炎。性病、HTLV-1その他、輸血により起こりえる問題は数限りがありません。
輸血感染症なんって、昔の話だと思われるかもしれません。
でも、実際には、現在も年間数十例程度の輸血感染症は起こっているそうです。

たとえばB型肝炎。
現在の日赤の分析能力では、1ccあたりB型肝炎のウイルスが1000個あれば検出できるそうです。
(PCR/ 20 mini-pool NAT)
逆に言うと、ウイルス検出の限界は1000copy/mL。

さて、チンパンジーの実験により、B型肝炎はウイルス10個でも感染が成立することが知られているそうです。
つまり、たとえ検出限界以下のウイルスしか含まれていない血液、たった1ccでも、100人に肝炎を感染させることができます。

厚生労働省には、わが国の輸血によるB型肝炎の感染は年間十数例という報告があります。
厚生労働省 B型肝炎Q&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/01.html
これが、今の科学の限界です。

両親の医師に背いて、輸血をした結果、肝炎になった場合・・・
もし、裁判を起こされたとすると、医師に勝ち目があると思えません。
場合によっては、刑事事件でも有罪となるかもしれません。


一方、輸血せずにおいて、子供が死亡したら・・・
”最善をつくしたが、両親に輸血を許可してもらえず、力及ばなかった”
と、うつむきぎみに記者会見を開けば、誰にも恨まれることはありません。

それでもお医者さんは、両親の意思に背いて輸血できるのでしょうか?


”エホバの証人”の信者を責めるのも、お門違いだとfocuslightsは思います。
(綺麗ごとでしょうか)
他人に悪影響を及ぼすことがない限り、信仰の自由は最大限尊重されるべきと思います。
医者が信じる”医学”という名の新興宗教が、いかに危ういものであるかは、上で述べたとおりです。

子供は誰のものなのか?
今の法律では親(法定代理人)のモノとなっています。
それが正しくないと思うのであれば、手を打つ必要あるのではないでしょうか。


2008/3/11追記
上記文章は、日赤の検査体制を批判した文章ではありません。
1000copi/mLのウイルスが検出できないと記載しましたが、PCR法は感度を上げすぎると、ノイズが高くなり、検査として使いものにならなくなります。
おそらく、現在の日赤の検査法は、現在考えられる最善のものなのだとおもいます。
(欲を言えばsingle assayですが)
本日、薬害エイズ事件で元厚生省課長の有罪が確定しすべての公判が終結したそうですが、
なんにも考えていなかった/もしくはウイルスの混入を知りながら血液製剤を供給していた当時と、現在の状況は異なっています。

でも、絶対に安全とは言えない。
これも事実ということです。

コメント

Secret

事例あります

>でも、輸血を必要とするとき、こんな手続きをしている時間があるとは思えません。

児童相談所では、こういう事態に備えて文書等を準備しています。
病院から連絡があれば、親権停止手続きを即時おこなうことができます。
あなたが思えなくても既に多くの事例がありますよ


>また、ちゃんと子供を病院まで運んできた両親に対して、”虐待”が認められたという判例はみつけられません。

あなたが見つけられなくても、判例はいくつもあります。
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