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自炊の森は合法っぽい。でもね。

AKIBA PC Hotlineに「自炊の森」オープンというニュースがありました。
著作権法的に大丈夫なの?と疑問に思い調べた結果、「合法」という結論に至りました。
でもね。

秋葉原に「自炊の森」が(プレ)オープンしたそうです。

店内の漫画を「自炊」するレンタルスペースが仮オープン、
裁断済み書籍を提供、ネット上は懸念の声多数
(AKIBA PC Hotline!)

 店内のコミックや同人誌を、その場で電子書籍に「自炊」できるという、自炊機材のレンタルスペース「自炊の森」が27日(火)にプレオープンした。場所はGENO OUTLET(ブロックD1-[f6])の上階、以前BLESSがあったロックビル2F(ブロックD1-[f6])だ。
 同店のシステムは、自炊機材の貸し出しに加え、裁断済みの書籍もその場で提供、「1冊いくら」の料金体系で電子書籍化できるという、これまでにないもの。
 手持ちの書籍などを自分でデジタル化する「自炊」が知られるようになってきた昨今だが、「自分の持っていない書籍をデジタル化できる」というサービスが店頭で行われたのはこれが初めてだ。
あきらかに違法っぽいこのサービス。
ショップ側は問題ないとの主張をしているそうです。
イメージはマンガ喫茶のコピー機?
 ショップ側は「問題ないシステムと判断」
このショップの基本システムは、「店内の棚からスキャンしたい書籍を選び、店内の機材を借用、利用者の手でスキャンする」というもの。つまり、「自分が持っていない書籍を店内でスキャンできる」という仕組みを謳っている。
 こうしたことから、どうしても気になってしまうのが、この仕組みの合法性だが、同店では「知的財産権に詳しい弁護士と相談し、問題ない仕組みと判断した」と説明。イメージとしては「マンガ喫茶においてあるコピー機」に近いという。

 具体的な同店の説明によると、「まず、著作権法上、私的複製をするために、オリジナルの本を自分で買う必要はなく、たとえば書籍を友人から借りて複製する行為も法的には問題ない」「店内で本を来店者にアクセスさせる行為は、あくまで閲覧行為であって、著作権法上の貸与権条項には抵触しない」「私的複製の範囲を制限する、“公衆の自動複製装置”に関する規定も文書または図画については対象外とされている」とのこと。「閲覧行為」に関しては、マンガ喫茶の業態に関するものとして、文化庁からコメントも出ているのだという。

 法律の解釈がこれ以外にある可能性もあるが、少なくとも「同店が、法の範囲内でできることを調査、“大丈夫”と判断したシステム」ということになる。なお、作者/出版社側への利益還元などについては、特にアナウンスされていない。
 これら法解釈については同店の公式Twitterでも告知中だ。

うーん。マジかよ
店側の言い分を検証してみました。

まず、
>「著作権法上、私的複製をするために、オリジナルの本を自分で買う必要はなく、たとえば書籍を友人から借りて複製する行為も法的には問題ない」
ですが・・・

著作権法を引用すると、
第5款 著作権の制限
(私的使用のための複製)
第30条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
1.公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
(以下略)

たしかに、30条の規定では、「使用する者」となっているので、借りて複製しても問題ありません。
(プログラムなどの複製は第47条の3に「所有者」と規定されており、私的複製の対象外です)

第30条第1~3項に「私的使用」の制限条項があり、自動複製器(=コピー機)が規定されています。
が、現時点では、著作権法附則により、文書又は図画の複製は含まないことになっています。

著作権法 附則
(自動複製機器についての経過措置)
第5条の2 著作権法第30条第1項第1号及び第119条第2項第2号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。
(昭59法46・追加、平4法106・一部改正、平11法77・一部改正、平18法121・一部改正)

つまり、客(利用者)は現行法上、私的使用の範囲内であり、合法と考えられます。


では、店は合法でしょうか?

店側は
>「店内で本を来店者にアクセスさせる行為は、あくまで閲覧行為であって、著作権法上の貸与権条項には抵触しない」
と主張しています。

まず、著作権法の該当条文を引用します。

著作権法(貸与権)
第二十六条の三  著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。


以前は著作権法附則第4条の2により、書籍は貸与権の除外とされていましたが、平成16年の改正により条文が削除されています。

ということで、自炊の森は明らかにこの条文に抵触していそうですが・・・・

この貸与権、マンガ喫茶などは除外されています。
その根拠は文化庁の見解。

出版物貸与権管理センター (Wikipedia)
文化庁は利用者が店外へ備え付けの本を持ち出さない限り「貸与」には当たらないとの見解を示した

貸与権を広く認めてしまうと、病院の待合室に備えられている書籍も、著作権法違反となってしまいます。
そこで、「持ち出しの有無」という基準が設けられたものと思います。

「自炊レンタルスペース」では書籍を敷地の外に持ち出さないので、「閲覧」扱いとなり、貸与権の侵害にはあたらないと解釈できます。


その他、著作者が有する他の権利(著作権法第17条~29条)の中に、今回のケースに該当するものはありません。

つまり、店側も合法です。

いろいろと調べてみましたが、
ショップ側の「問題ないシステムと判断」

というのは間違っていないと思いました。
法律の抜け穴ビジネスってやつですね。


合法。というのは、あくまで現行法上。

著作者の権利を侵害しているのは明らかなので、法律の抜け穴をふさぐためにどのような対策がとられるのか、予想してみました。

方法① 附則5条の2を廃止する

すでに触れているように、公衆利用されているコピー機による複製は、「私的使用のための複製」とは認められません。
が、現在は附則により、コピー機は除外されています。

(自動複製機器についての経過措置)
第5条の2 著作権法第30条第1項第1号及び第119条第2項第2号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。

これはあくまで、「当分の間」であり、経過措置とされています。
この条文を廃止するのが、第一の方法です。

が、法律改正を必要とします。

方法②貸与権の解釈を変更する
著作権法26条の3規定により、著作権者は貸与権を専有します。

著作権法(貸与権)
第二十六条の三  著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。

が、マンガ喫茶のように、敷地外に持ち出さない場合は、「閲覧」であり、貸与権が及ばないとされています。
が、これはあくまで運用の問題。
文化庁がそのような見解を示しただけに過ぎません。

>文化庁は利用者が店外へ備え付けの本を持ち出さない限り「貸与」には当たらないとの見解を示した

この見解を撤回すれば、ショップの行為は違法行為になります。
特に今回のケースでは、1冊あたりいくら。という形で料金を徴収しています。
金銭と引き換えにマンガを貸与していると解釈するのが利にかなっていると思います。

この方法の場合、法律改正は必要ありません。



貸与権の運用が変更された場合、インターネットカフェでマンガを展示することも違法になると思います。
今回の一件は、インターネットカフェに波及するのでは?とfocuslightsは思いました


追伸:
年末、お店の写真を撮りに行ったところ・・・
店に警察官が入って行くところを見かけました(2010/12/30 14:00頃)
いわゆる、制服を着たお巡りさんだったので、著作権がらみではなさそうでした。
(看板を持った人と一緒だったので、張り紙がらみのトラブル?)
ということで、お店に入る勇気がでませんでした (笑

コメント

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Re: 占有の移転

> 占有の移転がなされていない以上、店内で展示・閲覧させる行為は貸与にあたらないというのが、今の大方の学説の様です。

ご指摘の通り、貸与には「占有の移転」を要件とする考え方が主流ですよね。
今回のケースは、1冊あたりあたり、いくら。といった形で、マンガを使用させており、また、スキャニング中はそのマンガを実効支配しているので、移転しているとみなしても良いのじゃないかと思います。
この辺は、役所の運用次第でしょうか。

占有の移転

占有の移転がなされていない以上、店内で展示・閲覧させる行為は貸与にあたらないというのが、今の大方の学説の様です。
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